Q & A

よくあるご質問

お墓のQ&A 

01. はじめに・・・・お墓の意味と役割。

お墓とはご先祖様の霊を祀るところであり、ご先祖様の家であり、また家族の象徴でもあります。 
人はいつか死を迎えます。そして人生の終着点である大地にある「お墓」へと帰するのです。それぞれの人の死の後には、その子孫たちがその生を承け過去、現在、未来へと一貫して営み続けてゆく証がお墓であるといえましょう。ですから心を込めてお墓を建て、何よりも大切な事は、よくお参りをすることです。
お参りをする事は、ご先祖様を供養し祀ることと合わせて、子孫の平安を願うことであります。先人に感謝し未来の子供たちの安寧を願う事は、いつの時代においても変わらない人の願望です。したがって、お墓を建てる時は、そうした願望を反映させると同時にそれぞれの環境にふさわしいお墓を建てたいものです。


02. 宗教とお墓について教えてください。 

一口に宗教といっても、それぞれ様々な宗旨、宗派に分かれていることは衆知のことですが、「お宅は何宗ですか?」と訪ねられて戸惑ってしまったり、宗派は知っているけれど歴史、宗祖、教えの特徴がよくわからなかったり、また「一体うちの宗派と他の宗派はどこが違っているのだろう?」と、疑問を感じている人はずいぶん多いものです。 
たとえば葬儀に参列した折など、自分の家の法事で聞いているお経と比べて何となく聞き慣れない節回しだったり、お坊さんの袈裟や衣の色や形が違っていたり、またお墓参りに霊園などへ行って周囲を見渡すと、石塔に彫刻されている文字の違いにも気がつくでしょう。これらも宗派の違いによるものなのです。

仏教は釈迦の説法から生まれたといわれています。しかし、同じ教えに基づきながら、時代を経て国を渡り、人から人へと伝わる間に次々と複雑に分化していきました。  

03. お墓参り、お墓の手入れについて教えてください。

お墓参りといえば春、秋のお彼岸、お盆、年忌法要や祥月命日にあたる日を中心に行われることが多くなっていますが、別にこの日だけと決っているわけではありません。こうした日ばかりでなく、喜びがあったときや、願いがかなったときなど、そのうれしい心の内をご先祖様に報告したいものです。
たとえば、結婚、子供の誕生、入学、入社試験の合格、仕事の成功、病気の治癒など、長い人生の間には多くの喜びに出会います。
そうしたとき、家族をはじめ日頃からお世話になっている人たちに感謝するだけでなく、ご先祖様にもそのうれしい心を報告することを忘れてはなりません。
お墓は、お参りしてこそ「お墓」であると思います。そして、自分だけでなく、家族をはじめ、縁につながる多くの人にもお参りをしていただければ、それにこしたことはありません。特に子供たちは必ずいっしょに連れていってあげてください。今はよく分らなくても、将来、目に見えない形でプラスになって現れるからです。お墓は家族の和を作り、仲良く暮らすためにも大切なものです。
お墓に行ったら、最初に墓地や墓石の掃除をします。落ち葉やごみが散乱していたり、墓石が泥などで 汚れていてはご先祖さまの住む家としては失格です。ごみや落ち葉を拾い、墓石に水をかけ、洗い流して 布できれいに拭き取ります。特に水鉢は、ご先祖様の飲む清浄な水ですから丁寧に洗ってください。
文字の部分は色を入れてなければ歯ブラシを使うと細かい所まで届くので便利です。このようにきれいにしたうえで、お供えをし、花をたて、香をたき、感謝の気持ちで合掌礼拝を捧げます。尚、草が生えないようにと塩をまく方がいますが、塩は石に非常に良くないものです。遠くてなかなかお墓参りに行けないのであれば、草の生えにくい土を使う方法もあります。
私たちは、ついご先祖様にご馳走するという意識で、お供えした食物をそのままにして帰ることが多いようです。しかし、そうすると帰った後に動物などに食い荒らされ、腐ったり、虫が集って悪臭を放ったりします。
いくらご先祖様とはいえ食物を口にされるわけではありません。お参りする側の、ご先祖様や亡き人をもてなそうとする心が大切なのですから、お墓参りが終った後はそのままにしないで、必ずお供え物をかたづけてきれいにして帰るようにしましょう。コーヒーやビールを残して帰り、動物等に荒らされて流れ出た後、取れないシミとなってしまう事があります。
以上の事に気をつけながら心を込めてお手入れしてください。

04. どの石が良い石なのですか?

「この石はいいですか」「良い石で建ててください」お墓を建てる方からよく言われます。これはなかなか難しい問題です。つまり、耐久性が高いか、低いかという意味か、美的な良否なのか、質問の基準がはっきりしないからです。
① 耐久性の点で比較しますと、安山岩等他の石種より花崗岩の方が高いといえますが、同じ花崗岩では ほとんど変りません。
② 美的な意味でいうのであれば、石の目が揃っていて模様が均一であること、竿石や台石の色合いが
同じであること、傷がないこと、磨きや加工が丁寧であることなどになります。
いずれにしても石は天然のものですから、完璧な石目、色合いは難しいものです。それがまた
天然の作意のない良さであり美しさでもあります。
弊社では出荷時にすべて必ず建て検品を行い、安心を確かな形でお届けしています。
 
みかげ石(御影石)の意味
一般には”みかげ石”といえば、花崗岩のことをいいます。神戸市灘区御影町から良質な花崗岩が産出したことに由来します。花崗岩の俗称です。神戸の御影石が全国各地にある御影石(花崗岩)の語源です。御影石には、主に白御影石、青御影石、黒御影石、桜御影石、赤御影石が多いのですが、上記以外にも、グレー系、グリーン系などたくさんの種類があります。

05. 石の色の違いで縁起の善し悪しはあるのですか?

石碑に使用される石の色は、白色系、青色系、ピンク系、緑系、黒系などさまざまです。
また、地方によって使用されてきた色も違っています。
「黒御影石は縁起が悪い」など、いろいろな迷信が流布していますが、たとえば東日本の墓地ではかなり多く黒系統の石が使用されています。しかし、別にその地域の死亡率が高いというわけではありませんし不幸が多いと言う事も当然ありません。関東では、近くの福島県に国内でも代表的な黒御影(浮金石)の丁場(石切場)があり、身近な石を使用していたというだけのことです。
この様に石の色によって縁起の善し悪しが変わると言う事はありません。
石は重いものですから、以前は遠隔地のものを運んで使用するということは少なかったようです。
しかし、輸送機関の発達した今日では、遠隔地からでも簡単に輸送できますから、自分の好みに合った石を選べばよいでしょう。

06. 本家の墓より小さくないといけないのですか?

かなり多くの方から耳にするのが、「本家のお墓より大きなお墓を作ってはいけない」というもの。
この言い伝え=迷信を忠実に守ってお墓を作っていけば、子供、孫、さらに何代か先の子孫の作るお墓はごく小さなものになってしまいます。同じ墓地で無ければ本家と同じ大きさでも充分でしょう。同じ墓地の場合は本家とご相談をすればいいでしょう。

どんな形のお墓にすればよいのでしょうか?
お墓の形について、特に決りはありません。注意すべきお墓は、神道とキリスト教信仰者の方のお墓です。現在の和型のお墓は江戸時代の中期以降にできた2重台の角柱墓石が基本です。
建てる人の感性や価値観に合った、その人らしいデザインのお墓でもよいと思います。
しかし、代々守って行く事を考えるとあまり奇抜にならない物をおすすめします。

07. 北向きのお墓はよくないのでしょうか?

お墓を建てる方向についても、特に決りごとはありません。風水の考え方では、北が小高く南が低く開けている所を聖域としてお墓、都、城が築かれたことから、南向きが良いといわれます。 
また、鬼門(北東位)、裏鬼門(西南位)の方向もよくないといわれたりします。そのため、中国の長安の都を取囲むようにして北東の方向に万里の長城が作られました。しかし、方向に決りごとはありません。
それでも気になる方は、灯篭を設置するといいでしょう。「灯」は八方が正面であって、闇を明るく照らし、方位を避けてくれる(「光明は、あまねく十万の世界を照らし、念仏の衆生を摂取して捨てたまわず」)といわれています。

08. 開眼供養・閉眼供養について教えてください。

開眼供養とは、新しいお墓が完成したとき、吉日を選んで営む開眼法要のことです。地域によって呼び方も違い、お霊入れ、お魂入れ、性根入れともいいます。この法要によってただの石からお墓になります。
親族が心をひとつにして故人を偲び、ご先祖様への感謝の心をささげる最良の場です。

閉眼供養とは、古いお墓の改修、解体、移設などを行う場合に、僧侶によってお墓から魂を鎮めて抜き出すための供養をいいます。お霊抜き、お魂抜き、性根抜きともいいます。地方により異なります。不要になったお墓は、閉眼供養を行なった後、解体し移設したり、廃棄、処分を行います。また竿石は無縁塚におさめ、僧侶によって年2~3回の供養祭を営む方法があります。

09. 墓相とは何ですか?

墓相というものは本来はありません。人間は弱いもので、自分の努力でどうにもならない場合や、病気がちの時などに墓相のせいにしますが、それは全く根拠がありません。
墓相も風水から発生したもので、古代中国で親のお墓を選ぶとき、占い師に頼んでお墓に適当な土地かどうか占ってもらっていたのが最初のようです。儒教でいう「孝」の精神からそうしたことが行われました。
日本では、江戸時代中期から一般の人々がお墓を建てるようになり、墓相という考えがおこってきたようです。しかし、墓相家の間でもいろいろな矛盾があり、定説というものはありません。お墓に吉相、凶相があるわけではなく、ご先祖様との語らいにふさわしい場としてのお墓を建立し、かつ供養を怠らないことこそ大切です。

10. お墓は いつ建てるといいのですか?

お墓を建てる時期についても、特に決まり事はありません。古来より“石碑建立はとても功徳の大きいこと”とされており、このように良いことをするのに時期が問われることはないといえます。
そうはいっても、「日取り」については随分気にする方も多いようですが、この場合大切なのは入魂式(開眼供養)をいつ行うかということで、施工の日取りについては、本来気にする必要はないといえます。
お墓は建立工事が終ってもまだ単なる石に過ぎず、開眼法要を行って入魂されて始めて“お墓”となります。時期については地域によっても違いますが

①年回法要周忌で考える場合
以前は7回忌、13回忌、あるいはそれ以上経過しないと建てない風潮もありました。しかし、
土葬から火葬への移行、普及によって、現在では満中陰(49日)までとか、1周忌や3回忌までに建立するという方がほとんどです。
②年間で考える場合
一般的には、春秋の彼岸や夏のお盆に備えての建立時期を選ぶ方が多いようです。他には、法要や
月命日に合わせたり、お正月に間に合うように年末に建立するといったケースもよくあります。
③六曜の日取りで考える場合
通俗的には、大安とか先勝といった六曜の吉凶を気にする方が多いようですが、本来の目的とはかけ
離れたものです。どうしても気になるなら、最初に述べたように入魂式の日を合わせるとよいでしょう。
尚、墓地を先に購入している場合、する場合は、公営・民営に関らず、使用規則で規制されている場合がありますので注意が必要です。たとえば、購入後3年以内に埋蔵しなければならない(この場合必ずしもお墓の建立はしなくてよい)とか、3年以内にお墓を建立しなければならないというものです。

11. 写経について教えてください。

最近はあまり行いませんが、お墓を建立したときに行うさまざまな供養の中でも、肉親の写経が最高の供養とされています。
写経の方法は、写経用紙(数種類あります。)にその宗派の代表的なお題目、または日蓮宗以外の方であれば般若心経を書いて、最後に「為○○信士供養」、そして写経した人の名前を入れます。そして納骨の儀式のおりには、納骨室にその写経した紙を敷き、その上にお骨の壷を置きます。いついつまでも肉親のぬくもりの中で眠ってください、という心をこめたものです。
写経による供養を取入れることによって、納骨の儀式に重みを増すという効果もあり、満足感を感じるものです。

12. お墓がある場合のご供養はどうするのですか?

亡くなられた方のお墓が既に用意してある、という場合は、追加文字彫りをしなければなりません。
たとえば先祖代々のお墓があるのなら戒名板(霊標、法名碑、墓誌ともいう)に、この度亡くなられた方の戒名、歿年月日、俗名、行年を彫って法要に備えます。以前は彫る箇所の石を工場へ持ち帰り追加の文字彫りを行っていましたが、最近は現地(墓地)にて彫ることが多くなりました。費用は地域により異なります。
墓地内のお墓の位置、新しく彫る文字の確認が必要になります。

13. たくさんあるご先祖様のお墓をひとつにできますか?

夫婦墓や個人墓がたくさんあって、それらを合祀・整理したいという場合は「寄せ墓」を行います。
閉眼供養を行い、合祀墓(代々墓・五輪塔)を設置し、それぞれのお墓の土を一握り取って(お骨がある
場合はお骨を納骨袋へ納め)、合祀墓へ納めます。また、霊標(墓誌)を設置し、それぞれの夫婦墓などの戒名、歿年月日、俗名、行年を彫ります。そしてさらに墓所に余裕があれば、墓地の右奥へ「寄せ墓台石」を作って、古いお墓の竿石のみをその上に置きます。竿石以外の台石などは廃棄処分とします。また、墓所の広さに余裕がない場合は、竿石のみの別の墓所にて無縁供養とし、永代供養を行います。
合祀墓の場合、一般に没後50年以上の方がいれば五輪塔をすすめますが、必ずしも50年にこだわる必要はないと思います。 但し、基本的には浄土真宗では五輪塔を建てません。

14. お墓の引越しはできますか?

お墓を移転することを「改葬」といいます。たとえば古いお墓が郷里にあるのを、現在の家の近くへ移転するといった場合です。この場合は、「墓地埋葬法」の規定によって、郷里のお寺の住職に「埋葬証明書」を、移転先の墓所を管理する宗教法人に「受入れ証明書」を発行してもらい、この二つの書類に印鑑を添えて新しい墓所を管轄する市町村役場へ申請し、「改葬許可証」を受けます。
古いお墓の管理者へこの改葬許可証を提示し、閉眼供養を行った後新しいお墓へ移します。
移転の要領は、寄せ墓と同様です。 尚、土葬であったためにお骨もなくなっている場合には、墓地の
お墓の土を少し取って遺骨の代りとします。これは霊土と呼びますが、この場合は墓地埋葬法の適用外となり、許可を受ける必要はありません。また、遺品なども適用外です。但し、元の墓地を更地として返さなければなりませんので、住職とよく話し合い決めて下さい。

15. うるう年にはお墓を建ててはいけないのですか?

西日本には、閏年にはお墓を建てない、閏年前後にはお墓を建てないという迷信の存在する地域があります。太陽暦(新暦)では1年は365日ですが、実際に地球が太陽を1周する日数は365日と5時間48分46秒です。ですから4年に一度、366日の年を設けて調整する必要があります。
また、太陰暦(旧暦)では、月の運行で数えるため、1年を354日とし、残る11日を閏月を設けて調整します。
このため、閏年は13ヶ月となります。
このように閏年とはカレンダーの調整上のことでしかなく、仏教の経典では何の指示や規定もありません。ですから当然“罰”とか、“たたり”はありません。では何故そんな迷信ができたのかというと、いろいろな説があり、何が根拠なのかは分かっていません。ある説では、貧しい時代に、1年が1日多い年なので節約するためにできたのではないか、ということのようです。
反対に、沖縄ではうるうにお墓を建てることが良いとされています。
とはいっても、これが迷信であることを説得するのは至難の技です。いずれ解消されるものとは思いますが、周りの人や住職ともよく相談して納得して建立することが必要でしょう。

16. 寿陵について教えてください。

寿陵とは、生きている間に建てるお墓(生前建墓)のことで、字の如く大変おめでたいものですが、
中には誤解されているケースもあるようです。
たとえば、故郷を離れている次男は、毎年お盆に帰省して長男の供養するご先祖様のお墓にお参りすることになるわけですが、その次男が自分の住まいの近くにお墓を建てておまつりすれば年に何度でもお参りできることになります。
いつでもお参りできて合理的でもあり、いずれは次男のお墓にもなるということです。
仏教の教えでも、長男だけがその家のご先祖様をおまつりすればよいのでもないし、次男はしてはならないというわけでもありません。
納骨室には、故郷のご先祖様のお墓の周りの土を「一握り」さらしに入れて持ち帰り、納めます。そのときさらしには「為○○家先祖供養」と書きます。
最近では残ったご家族へ負担を掛けたくないということで、生前にお墓を建立される方も増えてきました。
また、税金対策としても有効です。
お墓は相続財産ではなく「祭祀財産」とみなされるので、相続税、不動産取得税、固定資産税などは一切課税されません。死後、後継者が相続したお金で建立しようとすれば、それは当然相続税を支払ったのちにということになり、生前に建立されたほうが節税になります。